
2025年6月27日 SDGs時代の“環境配慮ブース”構築完全ガイド

2025年。企業はもはや“環境に配慮する姿勢”を選択肢ではなく、「採用ブランディングの必須要件」として掲げる時代に突入しています。
その背景には、Z世代というミライの担い手たちが、企業を見る際に「環境・社会への姿勢」を重要視するようになったことがあります。
本記事では、SDGsやESGの文脈を整理しつつ、Z世代の意識データをベースに、
・どのような装飾が“共感”を生むのか、
・バイオ素材やアップサイクルなど実践できる具体策は?
・その上で環境負荷をどう把握し、削減していくのか?
いった問いに答える形で“サステナブル合説ブース”の構築ノウハウをまるっと解説します。
目次
1.SDGsとESG経営の必要性

SDGs(持続可能な開発目標)は国連が掲げた全世界共通の17目標です。
「誰一人取り残さない」を理念に、貧困・環境・教育・平和など17の分野で持続可能な社会の実現を目指します。先進国・途上国を問わず、すべての国に行動が求められています。
SDGs17の目標 | SDGsクラブ 日本ユニセフ協会より抜粋
ESG経営とは、「環境(E)」「社会(S)」「ガバナンス(G)」の3つの視点を大切にしながら、持続可能な成長を目指す企業のあり方です。短期的な利益だけでなく、長期的な信頼と価値をつくる経営として注目されています。
2.2.1 ESGとは何か|令和2年度障害者差別の解消の推進に関する国内外の取組状況調査報告書 – 内閣府 内閣府より抜粋
それぞれの要素の意味
環境(E):CO₂削減や再生エネルギーの活用など、地球にやさしい取り組み
社会(S):働きやすい職場づくりや、人権・多様性への配慮
ガバナンス(G):不正が起きない仕組みづくりや、情報公開の透明性
近年は、投資家が非財務指標(ESGスコア)を重視。これに応じ、企業はESG視点を中期経営計画や採用施策に組み込む流れが加速中です。
つまり、“サステナブル”は社会価値を示すとともに、資金・人材獲得にも不可欠なテーマになっています。
2.Z世代はSDGsに敏感

日本の15~24歳のZ世代では、約57%が「社会的課題に関心がある」と回答
※PRTimesより抜粋:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000033586.html
「エコバッグ使用」45.3%、「マイボトル利用」31.5%と、約7割が日常的に環境配慮行動を実践しています
※株式会社SHIBUYA109エンタテイメントより抜粋
https://shibuya109lab.jp/article/220920.html
また、「SDGs配慮商品を購入したことがある」と回答したのは約50%。そして約70%が、企業のSDGs取り組みに好印象を持ち、志望先選定にも影響すると答えています
※PRTimesより抜粋
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000033586.html
さらに、別の調査では「SDGs認知率69%、関心層38%、実践者13%」とあり、興味関心→購入実践にはギャップがあるものの、“必要性を感じている”層は多数存在しています
※SVPトレンド調査Vol.2より抜粋
https://www.svpjapan.com/insight/download/enq_report_20230420_01.pdf?utm_source=chatgpt.com
まとめると
- ・Z世代の多数がSDGsや環境配慮に“関心あり”
- ・約半数が実際に対応
- ・約7割が企業の姿勢に好意的で、志望に影響
→つまり、「サステナブル装飾」は採用施策の信頼獲得に有効であると言えます。
では、次に合説ブースでサステナブルが可能なのか?見ていきましょう。
3.サステナブル合説ブース装飾
⑴バイオトロマットってご存じですか?
合説ブースで使う装飾資材の中でも、近年注目されているのが**「バイオトロマット」**です。
バイオトロマットは、**植物由来の原料を一部使用したバイオマス生地(PPR)**で作られた印刷対応シートです。
主にタペストリーやテーブルクロス、バナーといった販促装飾物に使用されており、展示会や合同企業説明会などで活躍しています。
この素材の最大の特徴は、環境への負荷を軽減しつつ、通常の印刷物と同等の見栄えと機能性を実現できることにあります。従来の塩化ビニール(PVC)など石油由来の素材に比べて、焼却時に有害物質を排出しにくく、リサイクルも視野に入れた設計が可能なことから、企業の環境配慮を「装飾」という形で可視化できる素材として注目されています。

⑵バイオトロマットが貢献するSDGs目標
バイオトロマットは、カーボンフットプリントの低減や廃棄時の安全性に優れた素材であり、以下のSDGs(持続可能な開発目標)との関連性が高いとされています。
目標12:つくる責任 つかう責任
再生可能な資源を使った素材設計、焼却時の有害物質発生リスクの低減、そして複数回の使用に耐える耐久性。これらはすべて「責任ある生産・消費」に資する要素です。
目標13:気候変動に具体的な対策を
バイオマス由来原料を一部活用することで、化石燃料依存度を抑え、製造~廃棄までのライフサイクルにおける温室効果ガスの排出量を低減することが期待されます。
目標14:海の豊かさを守ろう/目標15:陸の豊かさも守ろう
廃棄時に有害物質を出しにくいという特性は、土壌汚染やマイクロプラスチックによる生態系汚染の抑止につながります。海洋・陸上ともに、環境保全に配慮した素材と言えます。
⑶環境特性と従来品との比較
バイオトロマット(PPR)の環境特性としては、主に以下が挙げられます。
- ・焼却時にダイオキシン等の有害物質が発生しにくい設計
- ・軽量で扱いやすく、分別・再資源化が可能
- ・長期使用にも耐える強度があり、リユースに向いている
一方、従来よく使われていたPVC製マットは、製造・廃棄時の環境負荷が高く、特に焼却時には塩素ガスを含む有害物質の発生が懸念されます。
この点でバイオマス系素材であるバイオトロマットは、代替素材として十分な機能と環境性能を備えているといえるでしょう。
なお、巷で見かける「生分解性」や「自然に土に還る」といった記述は、本カタログ上では明記されておらず、事実確認が取れていない情報ですので控えます。

⑷ バイオトロマットで作るタペストリー・テーブルクロス・Xバナー
この素材は、合説ブースにおける主要な装飾ツールでの使用が可能です。
タペストリー
軽くて柔らかい質感ながらも、印刷映えする視認性を備えており、ブース背面に設置すれば強いアイキャッチ効果が期待できます。
テーブルクロス
テーブルを包むクロスは、ブース全体の統一感を演出する重要アイテム。バイオトロマット製なら、しっかりとした厚みと素材感で、企業の信頼感を視覚的に伝えることが可能です。
Xバナー
組み立てが簡単で繰り返し使えるXバナーは、持ち運びにも優れ、再利用性の高いサステナブル商品との相性が非常に良い装飾ツールです。
さらに、水性や植物性インクで印刷を行うことにより、安全性や臭気の少なさも加わり、学生や来場者にやさしい空間づくりが可能です。

⑸バイオトロマットで作ると価格は上がるのか?
一般的に、環境配慮型素材は、従来の大量生産型素材に比べてやや高価になる傾向があります。
ただし、合説ブースで使用されるタペストリーやテーブルクロスなどは、そもそも1枚あたりのコストが大きくないため、数千円〜1万円程度の差額で導入可能なケースも多く存在します。
加えて、リユース前提の設計をすれば単年あたりのコストは平準化でき、環境対応に取り組む企業イメージの向上も考慮すれば、投資としての価値は十分にあります。
※実際の価格については、素材サイズや加工方法、数量によって変動するため、都度お見積りが必要です。
最下部の今回ご紹介した商品欄をご覧ください。
4.不要な装飾はアップサイクルで再活用
バイオトロマットは、耐久性と加工性にも優れているため、使用後のアップサイクルにも適しています。
⑴アップサイクルとは
アップサイクル(upcycle)とは、不要になった製品や廃棄物などを、本来の用途とは異なる形で再利用し、元よりも高い価値を持つ製品として生まれ変わらせることを指します。
日本語では「創造的再利用」とも訳され、従来の「リサイクル(recycle)」や「再資源化(material recycling)」とは区別されます。
⑵アップサイクルとリサイクルの違い
項目 | アップサイクル | リサイクル |
---|---|---|
処理内容 | 形をなるべく保持したまま再利用し、付加価値を与える | 原材料まで分解して再利用(例:ペットボトル→繊維) |
目的 | 価値を高めて再流通 | 資源循環・ごみ削減 |
例 | 使用済みのぼり旗 → バッグ・ポーチなど | ペットボトル → 再生プラスチック製品 |
俳優/アーティスト・のん| 特集 | ecojin(エコジン):環境省環境省ecojinより抜粋
⑶アップサイクルの具体例(実際に国内で行われている例)
- ・使用済みの横断幕やタペストリー → トートバッグ、ポーチ、エプロンなどに加工
- ・廃棄予定の制服 → ぬいぐるみの素材やエコバッグに再生
- ・プロスポーツの使用済みユニフォーム → ファン向け限定グッズに展開
当社の事例はこちら 五方よしプロジェクト
たとえば、以下のような再利用が可能です:
- ・使用済みバナーをワークショップの掲示物や装飾素材として再活用
- ・テーブルクロスをカットして、社内用のバッグや小物入れに転用
- ・内定式や社内イベントの会場装飾に“再登板”させる
このように、単なる「使い捨て」ではない運用を行うことで、企業としてのサステナブルな姿勢をさらに強くアピールできます。
⑷そこで、“サステナ”好きなZ世代へ。

Z世代の多くは、日常的にマイボトルやエコバッグを使い、社会課題に敏感な価値観を持っています。
彼らにとって「環境配慮」は当たり前であり、就活先の選定基準のひとつにもなっています。
だからこそ、合説ブースが“サステナブル”であること自体が、企業の価値観を体現する大きなメッセージになるのです。
「環境を大切にする会社で働きたい」
そう考える学生の心に、ブースデザインがそっと火を灯す。
採用成功のカギは、共感される“姿勢”にあります。
5.まとめ
本記事では、以下を中心に“サステナブル合説ブース”構築術を解説しました:
- 1. SDGsとESGは、採用にも不可欠な経営基盤
- 2. Z世代はSDGsに敏感/行動しており、企業姿勢に評価する
- 3. バイオトロマット素材+アップサイクルで本質的な環境配慮を実現
環境配慮型ブースは、「コスト」ではなく「信頼・共感の投資」であり、採用ブランディングとしての価値があります。
今後は、装飾だけで終わらず、運用・社員教育・社内イベントへの展開まで含めた“脱ゴミ”体制を見せることが、競合他社と差をつける鍵となるでしょう。
6.今回ご紹介した商品
タペストリー
縦型 W900×H1,800mm 1枚 23,650円
横型 W1,800×H1,200mm 1枚 28,600円
Xバナー
W700×1800mm 1枚 22,000円
テーブルカバー
BOX縫製
W1,800×H700×D600mm 1枚 33,000円
執筆者 エンドライン株式会社 代表取締役 山本啓一