現役大学生と考える「成功する合説」の作り方とは?

現役大学生と考える「成功する合説」の作り方とは?

今回は当社ウェビナーを記事化しました。
現役大学生と考える「成功する合説」の作り方とは?と言う内容です。
是非ご覧ください。
【目次】

第一部 求職者が3倍集まる!?採用イベントで効果を出すためのブース装飾とは?

第二部 現役の大学生と一緒に新卒採用!? 令和の採用活動とは?

第三部パネルディスカッション:『現役大学生に直接質問! 就活のリアル!』

第一部 求職者が3倍集まる!?
採用イベントで効果を出すためのブース装飾とは?

1)あなたのターゲットは誰ですか!?

石谷:今回は「ターゲットが絞れていますか?」という話をメインにさせていただきます。

・多くの会社が陥る負のスパイラル
石谷:装飾といえば目立たせたいと思うのではないでしょうか。でも、目立つ色やデザインの装飾をしても、実はなかなか届けたい学生に響いていなかったりするという現状があります。例えば、目立つから赤を使おうとするなど、他の企業様がいろんな出店をされている中で、とにかく目立ちたいというところだけを考えてしまって失敗してしまうというケースです。
そこで、まずはターゲットを絞り込んだ装飾の事例をいくつかご紹介していきたいと思います。

2)ターゲットを絞り込んだ採用施策を行えていますか??

【事例1】

石谷:こちらは整骨院様の装飾です。「成長」、「すぐやるか、今すぐやるか」と書いているんですが、実際にこういうデザインを見て、Aさんはどんな会社のイメージが湧きますか?

学生A:非常に熱い感じで、体育会系の会社さんなのかなというふうに感じます。

石谷:100点満点の回答をいただきました(笑)。実際に、このデザインを作った意図の裏には、やはり体育会系というような、成長意欲のある方を採用したいという思いがあります。
そのため、「挑戦」や「成長」といった、どちらかというと体育会系のイメージを持たせるような要素をクリエイティブに入れ込んでいますので、やはり体育会系の雰囲気のある企業に入りたいと思う学生の集客ができるという感じです。

【事例2】

石谷:ここは事例1が超越しているような感じですが、「働きがいのある会社」というところで自分たちのPRポイントを打ち出して、「スタッフを全力で応援します」というところで、福利厚生が充実していてスタッフに手厚い企業に入りたいと思っている学生に響くようなデザインです。

【事例3】

石谷:こちらは、先ほどの2つの事例よりもさらに体育会系のイメージの装飾ですが、意図は先ほどと同じような感じです。やはり「居酒屋みたいな整骨院」というところで、体育会系というか、元気がある方を採用したいという思いのあるデザインです。こちらを見ると、おとなしくてしゃべるのが苦手だという方はなかなか近寄りづらいブースにしていると思うんですが、大きい母数を取るというよりも、やはりターゲットに響くようなデザインが考えられているというところです。

【事例4】

石谷:こちらは先ほどまでの事例とは少しテイストが変わりました。「オンラインはもう飽きた。」と書いてありますが、Bさん、大学時代はやはりオンラインが多かったですか?

学生B:はい、多かったです。

石谷:それだと、やはりオンラインに飽きてきたりすることもあると思うんですが、対面で会いたいという学生さんがこういうのを見ると、「あ!オンラインじゃないんだ。リアルで会えるんだ」というようなところが分かると思います。このように、デザインで強みや伝えたいことを打ち出せるというのが、本当に装飾のいいところだと思っています。

【事例5】

石谷:こちらは、「20代で年収1000万」というところで、営業をバリバリやりたいという方に向けたキャッチコピーを入れているような感じです。

石谷:次に、「あなたのターゲットは誰ですか!?」ということで、採用ブース以外の事例も見ていきたいと思います。

【他業界の事例1】

石谷:こちらは店舗の前に置いてあるような、不動産会社様の装飾です。今、「男性を採用したい」、「女性を採用したい」ということは言えないと思うんですが、こういう形で女性ばかり出していると、何となく「女性が働きやすい会社なのかな」、「女性を目的に集客しているのかな」というようなところが伝わるのではないでしょうか。このように、採用ブースの事例だけではなくて、他業界の事例も見ていくと分かりやすいです。

【他業界の事例2】

【他業界の事例3】

石谷:こちらの2つの事例も、女性に向けた集客のデザインです。

文字だけよりも、同時に画像を交えて伝えた方が記憶に残りやすいという心理的な効果(*画像優位性効果)があります。
*画像優位性効果
ジョン・メディナの研究
・プレゼン72時間後の記憶の比較
文字と言葉だけの伝達:10%しか記憶に残っていない
写真や画像を加えた場合:65%が記憶に残る

このような研究結果もありますので、やはり文字だけではなくて、写真や画像などを交える(他業界事例1~3参照)ことで、より伝わる採用の装飾になっていきます。

【成功事例】

石谷:今までブース装飾を手作りされていた会社様にご依頼いただいたんですが、もともと40名ほどの集客だったのが120名ほどにアップして、効果が3倍になったという事例もあります。やはり理念や採用したいターゲットに基づいた装飾をしていくというところが採用の成功につながります。
訴求の仕方で、採りたい学生と響きやすい学生というのは変わっていきますので、ぜひこの辺りは参考にしていただければと思います。私からは以上です。ありがとうございます。

第二部 現役の大学生と一緒に新卒採用!?
令和の採用活動とは?

高村:第二部では、「令和の採用活動ノウハウ」というところをご説明させていただけたらと思います。まさに今、令和のオンライン、コロナ下ということもあるかもしれないんですが、「令和の採用活動はどうすればいいのか」とお声がけいただくことが多いです。そこで今日は、私の見解や大学生の声を交えながら、令和の採用活動について解説させていただけたらと思います。

1)自己紹介

高村:まずは、私の自己紹介です。今、私は東京にいますが、もともとは福岡の出身です。2017年新卒でパーソルキャリアに入社しました。今、社会人としては6年目の、28歳です。パーソルキャリアからグループ会社のベネッセアイキャリアに異動しまして、そのタイミングで、副業として、今もやっている学生向けビジネスコミュニティ「仕事塾」を設立しています。昨年2021年10月に、その「仕事塾」で独立をしました。
「仕事塾」が主に何を目指しているかというと、私が転職支援や就活の支援をしている中で、大学や高校に入る前はいわゆる予備校や塾のような勉強する機関があったのに、社会人になる前にはそういう仕事を経験する機関がないことによって、社会人になってもあまり楽しく働けない人が増えているのではないかということを課題として感じていました。
そこで、世の中に楽しく仕事をする人を増やしたいという思いで「仕事塾」という、大学生が働くことができるコミュニティをつくっています。「仕事塾」の運営としてはもう2年ほどになります。大学生が入るオンラインのコミュニティで、ここに入った大学生は仕事の経験ができるということで、仕事の塾、「仕事塾」という形で大学生向けサービスを提供しています。
また、ここの大学生と一緒に、私が今年の3月に新たに立ち上げたサービスもあります。それは、企業の新卒採用を実際の現役大学生が支援をする「学生人事」という法人向けサービスです。例えば、今日参加しているAさん、Bさんのような大学生が、企業の新卒採用担当(人事)として説明会に登壇したり、インターンシップを設計したり、説明会資料の改善をしたりします。いわゆる採用チームに学生が1人加わるというサービスを「仕事塾」の学生と一緒につくったというのが、私が今やっている「学生人事」というものになります。
主に、そういう形で大学生の価値を世の中に発信していき、大学生の雇用を生み出すとともに、大学生自身に働く経験を持ってもらって、大学生のうちから職歴をつくろうというところを、私たちのミッションとしています。私の自己紹介は以上です。
次に、大学生のお二人にも自己紹介をお願いしたいと思います。

学生A:Aと申します。現在R大学文学部の4回生です。内定先は株式会社Tグループという教育大手の会社に決まっています。就活生時代に、人材、教育、コンサル業界をメインに受けていて、最終的には教育といったところに意思決定をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

学生B:K大学4年生のBと申します。私の内定先としては、22年間K県に住んできたんですが、まったくなじみのないY県の中小企業様で、不動産や建築を行っている会社に入社 することを決めました。就活をしている時に見ていた業界としては、不動産、小売り・外食などのサービス系、人材などです。本日はどうぞよろしくお願いします。

高村:ありがとうございます。どんな就活だったのかということなどについては、この後の第三部のパネルディスカッションで、お二人に聞いていきたいと思います。

2)一方通行から双方向の採用活動へ

 高村:では、今から実際の採用活動のノウハウについて、お伝えしていきます。一言で言うと、「令和の採用活動というのは一方通行ではなくて双方向である」というところを、まずは押さえていただけたらと思います。一方通行というのはどういうことかというと、今までは企業が学生に情報を提供するという、基本的には一方通行の採用活動でしたが、これからに関しては、学生の話を聞いてから提供する情報を決めるというような流れに変わってきているというふうに思います。
私が「仕事塾」で学生の話を聞いていても、「企業のこういうところを積極的に情報収集しています」だったり、「この間、人事さんと話したんですよね」という声を聞いたりして、私が就活をしていた5~6年前とは比べものにならないぐらい、企業と学生の距離感が非常に近づいてきているというのを、今感じているところです。
ですから、今までのように企業側、つまり大人たちがいろいろ考えて、社長はこれを伝えたい、部長はこれを伝えたい、現場はこれを伝えたい、総務としてはこれは伝えづらい、というようなところを、大人側(企業側)で操作をした一方的な情報提供ではなく、これからはそこに対して学生からのフィードバックをいただいたり、学生とざっくばらんなカジュアルな場で面談だったり、軽く就活相談のような形で大学生と触れる機会をつくって、「こういう情報を聞きたいんです」という大学生の声を聞いてから資料を作り始めるというふうに、少し準備段階の流れが変わってきていると感じます。
今日は、就活が終わったお二人ではありますが、直近まで就活をされていたというところでもあるので、実際のリアルもこの後聞いていけたらと思います。

・双方向の採用活動とは?

× 学生に情報を提供する
〇 学生の話を聞いて、提供する情報を決める

3)令和の就活生の考え方とは?

高村:いわゆるZ世代といわれたりすると思うんですが、このZ世代の就活生の考え方としては、大きく3点あります。3つ目に関しては行動なんですが、以下のようにまとめてみました。

・令和の就活生の考え方

①インターネットやSNSの普及により学生の情報取得力が上がっており、もはやサイト以外の情報を得ようとしている。
②「ナビサイトにはキレイな情報が並んでいる」と思われており、会社の実際の社風や社員の声の重要性が高まっている
③オンラインと対面のイベントの両方に参加している。

①もはやスマートフォンを持たない大学生はいないのではないかというぐらい、皆さんスマートフォンを持たれています。私が高校生の時はガラケーだったんですが、今は高校からスマートフォンという世代のようで、時代を感じています。いわゆるデジタルネイティブといわれるような世代に関しては、まさに情報取得力というのが非常に高いというふうにいわれていまして、「この情報は自分には必要ない、この情報は得たい」となった時の取捨選択力もそうですし、検索力も上がっているという形です。
ですから、この①の説明としては、インターネットやSNSが普及したことにより、学生がいろんなところで企業の情報が得られるようになり、ナビサイトで見つけた会社名をそのままコピーして、GoogleやTwitterやInstagramやYouTubeで検索にかけるというふうに、社名が至る媒体でコピーペーストされているという状態は把握しておいた方がいいと思います。

②このことを、企業側がしっかり理解しておかないといけないのではないかと思っています。つまり、インターネット上で課金媒体を使って出す情報というのは、ある程度装飾された情報だと学生は思っているため、そういうキレイな情報よりも、生の社員さんの声、合説などでの会社の雰囲気、社長の雰囲気、社員同士の掛け合いというところを見たいという声が、より高まってきているということです。
そういったことから、「③オンラインと対面のイベントの両方に参加している」という傾向があるのではないかと思いました。このことについては、後ほどAさん、Bさん、より詳しく聞かせてください。

4)目指すべき令和の採用活動の姿とは?

高村:こういった就活生の考え方を知った後で、私たちがどういうふうに考えていけばいいか、目指すべき採用活動はどういう活動なのかというところなんですが、これはまさに次のような声を生み出すことだと思います。
「あの企業の説明会、おもしろかったよ!」
「あの企業の面接を受けたら、フィードバックをもらえるよ!」
「あの企業の採用担当の方、すごく味方になってくれるよ!」
このような声を生む必要があると思います。学生に「受けてよかった!」と思われる採用のことを最近は採用CXというふうにいったりするんですが、専門用語なので、ここでは割愛させていただきます。
学生に「受けてよかった!」と思われる採用活動づくりというのが、令和の採用活動に求められるのではないかと思います。その一つとして、手法を軽くご紹介します。

5)学生に「受けてよかった!」と思われる採用

高村:最近では、老舗の企業様でもSNSアカウントを運用するというような所が増えてきています。

高村:その結果、ダイレクトメッセージが送れるマークから大学生が直接連絡をして、「一度、細かく話を聞かせてください」、「社員さんとの面談を組ませていただけませんか?」というような打診が平気で行われているようです。
老舗企業の事例を2つ出しましたが、どちらも1,000名を超えるフォロワーがいらっしゃいますよね。こういうところにまでなれば、学生も「あっ、ちゃんと運用しているんだな」というふうに感じますし、先ほどお伝えしたように、ナビサイトで見つけた社名をこういう形でTwitterで検索をするということも結構ありますので、こういうふうに各媒体で整えておくというのは、非常に重要になるのではないかと思います。
一つ、その参考のデータとして、「今、大学生はSNSを活用している」ということが分かる電通さんのデータをご紹介します。

・大学生は、今SNSを活用している


引用:電通「A世代就活生 まるわかり調査2022」

高村:就活において情報収集に使われたプラットフォームは、Twitter・LINE・Instagram、この3つが3強だということが分かります。また、これはSNSというくくりなのでなかったんですが、YouTubeは就活生の約8割が見ているというふうにいわれていますので、基本的にTwitter・LINE・Instagramという3強にYouTubeが加わってくるという形です。
情報を各種媒体で発信しようということが分かったら、次はどういうふうに発信すればいいのかということになると思うんですが、それは先ほどお伝えしたように、大学生にどんな情報があったらいいのかという話を聞いて発信をしていくということが重要になるのではないかと思います。

6)データから見る学生の本音

高村:先ほど、令和の採用活動は学生から「受けてよかった!」と思われる採用活動づくりだとお伝えしましたが、逆にこうなったらいけないという採用活動というのも、先ほどと同じく電通さんのデータで、ご紹介しておきたいと思います。


引用:電通「Z世代就活生まるわかり調査2022」

高村:「就職活動で印象が悪くなったという会社を教えてください」というところなんですが、1位は面接官が高圧的だったり遅刻してきたという理由で「面接官の印象が良くなかった」。2位の「社風が古いと感じた」は、まさに現代っぽい悩みですよね。2位についてはTwitterをやっていれば、おそらく解決です。3位の「選考結果の発表が遅かった」というのは、昔からいわれていることかもしれませんね。他に「OB・OG訪問で会った社員の印象が良くなかった」という形で、やはり先ほどお伝えしたように、生の社員さんの雰囲気というところが非常に重要になってきていると思います。
ですから、ナビサイトなどでは得られない情報(社風、社員さんの雰囲気、仕事の姿勢〈レスポンスの速さ〉)が、学生が最近見ているポイントになるというふうに感じます。印象が悪くなってからでは遅いです。大学生の声をいち早く反映させて、少しでも良い採用体験を提供していくのがいいのではないかと思います。ゴールは、先ほどお伝えしたように、「あの会社の選考を受けてよかった!」という声が出ることだと思っています。

7)大学生と採用活動をした企業の事例

高村:最後に、1つだけ事例を紹介させていただいて終わりにしたいと思います。


大学生と採用活動をした企業の事例

高村:先ほどお伝えしたように、私は今、大学生と一緒に採用活動をやっています。企業さんから採用支援のご依頼を受けて、大学生と一緒に大人と大学生がセットになって、企業さんの採用支援をするというプロジェクトです。この事例は関東の専門商社である老舗の企業さんの事例なんですが、PV数(見られた数)、エントリー数、会社説明会予約数から内定承諾まで、すべてにおいて22卒を上回る成果を23卒で出せました。
一番注目していただきたいのは、説明会参加から一次面接への参加率が80%だということです。つまり、10名参加したら8名に説明会から面接に来ていただけたということで、非常に会社に興味を持っていただいたというところにつながったということだと思うんですが、このポイントとしては以下の3点があります。

・ポイント

①学生による会社説明会資料の改善(数年変えていなかった資料を最新に!)
②学生と一緒に会社説明会を実施(学生が登壇、同席して魅力を解説!)
③学生と一緒に選考フローの設計(いつ、どのようにアプローチするかの設計!)

①数年前からずっと刷新されていなかった説明会資料を、学生が最新化しました。

②学生が登壇して、例えば「今回は学生人事の〇〇さんに来ていただいています」という形で、企業さんの採用担当者、「学生人事」のスタッフ、そして学生という三者が参加して、「学生人事」が第三者目線で企業の魅力を深堀していくというような会社説明会を開くことによって、客観的な魅力が感じられたということだと思います。「内定者でもいいのではないか?」という声はあるんですが、内定者だと、どちらかというとサクラっぽく見えてしまうという懸念がありますよね。

③いつ、どのように学生にアプローチするのか。例えば先ほどの話で行くと、ナビサイトでエントリーがあった後、1日以内にちゃんとレスポンスを返しているか。また、そのレスポンスに、ちゃんと「応募ありがとうございます。嬉しいです」というようなコメントを一言入れているか。あとは、面接の後のレスポンスや合否の連絡を機械的にやっていないか。どちらかというと、こういうところを非常に評価させていただきました。「ここはもっと伸びしろがあるんじゃないかと感じました」というのを大人に言ってもらうだけでも学生は非常に学びになるのではないでしょうか。ですから、こういう学生目線の発信というところを考えていただければと思います。

8)まとめ:目指すべき採用活動の姿とは?

高村:「あの企業の説明会、面白かったよ!」
「あの企業の面接を受けたらフィードバックをもらえるよ」
「あの企業の採用担当の方、すごく味方になってくれるよ!」
こういった学生の体験を生み出すことによって、学生に「受けてよかった!」と思われる採用活動づくりというのが、これからの採用活動に必要になってくるのではないかというところで、私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

第三部パネルディスカッション
『現役大学生に直接質問! 就活のリアル!』

1)パネルディスカッション

高村:まずは、先ほどの自己紹介の深堀りから始めたいと思います。BさんはK県に住んでいて、そこから行ったこともないY県に就職するということでしたね。

学生B:はい、その通りです。

高村:まさに、これは「Iターン」と業界では言ったりすると思うんですが、非常に珍しい感じがします。では、まずは就活の経緯から聞いて、その後、先ほどのデータや、合説に参加したことがあるかといったところも聞いていけたらと思います。
まず、K県に住んでいて、どうやってY県の企業と出会ったんですか? ナビサイトですか?

学生B:いいえ、ナビサイトではなくて、私は逆スカウトアプリの「OfferBox(オファーボックス)」というアプリをダウンロードしていたんです。

高村:「OfferBox」というのは、学生がプロフィールを公開していたら、企業がそれを見て、スカウトを送るというアプリですよね。

学生B:はい、そうです。

高村:学生さんの使用は無料なんですね。そこに企業がスカウトを送って採用するという形になると思います。後はナビサイト形式ですね。では、そこでスカウトが来て、出会ったということですね。

学生B:そうですね。プロフィールを記入したら、入社先の方からスカウトをいただいてといった形で出会いました。

高村:スカウトも最近でいくと、例えばマイナビさんのDMの一斉送信などが多いからこそ、テンプレートは避けるというような傾向があるじゃないですか。私もプライベートでGメールやYahoo!メールに届くTポイントカードなどのメールは開かなかったりします(苦笑)。そういう形で、結構テンプレートメールは開かないというのがあると思うんですが、その時は最初からカスタマイズされた文章が来たような感じだったんですか?

学生B:そうですね。例えば、自己PRに「こういったことが強みです」、「こういうことを心がけて行動しました」ということを書くと、企業様がそこだけにフォーカスをして、「この部分についてこういうふうにいいと思いました」というのを、初めから書いてくださいました。

高村:では、例えば、ボランティアをしたことを書いていた学生がいたとしたら、「そのボランティアの活動を通して、こういう経験を得ました」というのも大学生が書いているということですね。そして、例えば「こういう学びを得ました」というところに対して、企業が「あなたのボランティア活動で得た〇〇という学びを、ぜひ弊社のこういう部分でも活かしていただきたいと思い、一度説明会にお越しいただきたいと思いました」という、そのカスタム文章があったということですよね。

学生B:そうです。結構具体的に、その人に合ったことを書いてくださっていました。

高村:結構企業は送るのが大変そうですけれども、学生からしたら嬉しいですよね。そうやって自分のことを見ていただいたみたいな形で。

学生B:はい、とても嬉しい気持ちになりました。

高村:説明会のはオファーだったんですか? それともインターンシップだったんですか?

学生B:実は一番最初は面談だったんです。

高村:先ほど言ったような形で、ナビで情報提供ではなくて、最初にもうカジュアルな面談だったということですね。

学生B:そうです。

高村:では、カジュアルな面談のオファーが来て、面談ならいいかと思って参加したという感じですか?

学生B:そうですね。気軽さがあると思って。

高村:それはオンラインですかね。

学生B:はい、オンラインです。

高村:ちなみに、それは大学3年生の何月頃ですか?

学生B:10月頃です。

高村:ちょっと早いですよね。では、そうやって企業さんからオファーをいただいてY県の会社と出会って、実際に面談をしたと思うんですが、面談の前はどんな準備をしていくんですか?

学生B:事前に会社説明のスライドをチャットでいただいていたので、それを確認したり、「どんなことが強みなんだろう」というようなところは簡単に調べてはいました。

高村:強みは、僕も最近学生からよく聞くんですが、Aさんも他社との違いなど、他社と比べて何が強いのかというのはやはり気になりますか?

学生A:そうですね。とても気になります。そこが結局決め手になったりするケースが多いので、しっかりチェックします。

高村:少し先の話ですが、例えば内定を3~4個、今持つじゃないですか。ちなみに何個いただきましたか?

学生B:私は3つです。

学生A:8個です。

高村:8個!? そこから決め手、絞っていくという話になると思うんですが、そのタイミングで、強み、独自性、他社に負けない地位を確立している内容というのがあったらうれしいということですよね。

学生A:はい。

学生B:はい。

高村:この辺りは、企業もちゃんと情報を提供していく必要がありそうですよね。Bさん、先ほどの就活の話なんですが、面談は選考ではないんですよね。

学生B:まったく選考の要素はなかったです。

高村:簡単に言うと、選考ではない面談を、受けるかどうかも分からない学生とするということですよね。

学生B:そうですね。

高村:そこからでもいいと思って、面接に進もうと思ったわけですか?

学生B:そうですね。面談の時に対面のインターンシップの案内があったので。

高村;では、採用支援をしている私からすると、採用フローが1つ増えているというような形だと思ったんですが、まさに説明会やインターンシップの前段階で面談というのを入れて、面談の前段階でオファー送信というのを入れている。
つまり、オファーを送って面談をして、インターンシップに来ていただいて、そして選考に乗っていただくという形なのかなと思ったんですが、対面のインターンに行かれたということですよね。

学生B:はい、その面談の時点で、すぐに行こうと思いました。

高村:面談では何を話すんですか?

学生B:実は人事の方と出身地が同じだという共通点があったので、そういったざっくばらんな話をしました。

高村:では、本当に自社の説明をどんどされるというよりかは…。

学生B:人を深掘りしたという感じですね。

高村:なるほど。対面でインターンシップがあったということですよね。

学生B:はい、そうです。

高村:それはY県まで行ったんですか?

学生B:はい、Y県まで行きました。

高村:すごいな…。ちなみに、そういう時、交通費は出るんですか?

学生B:出ます。

高村:ということは、企業さんもかなり頑張っていますね。では、その対面インターンシップに行かれて、その後に説明会に行ってという形だったんですかね。

学生B:はい。

高村:分かりました。その会社と出会った経緯というところを伺ったんですが、まさにそういう出会い方もあるという形ですね。結構いろんな工夫をされていると、今印象に残ったんですが、先ほど私がお伝えした、「大学生の声を聞いて提供する情報を決める」というところに非常に近しいやり方かなと、今お話を聞いていて思いました。
面談などを通して、つまりBさんの人柄を聞くという形の面談だったと思います。学生はどういうところが気になるのか。AさんもBさんも共通していたのは、「他の会社に負けないような強みや独自性というところが気になる」と言ったので、その部分を情報提供しようというふうに決めることもできるのかなと思いますよね。
では、Aさんにも聞いてみたいんですが、私が先ほど「ナビサイト以外の情報を得ようとしている」という見解を述べました。ナビサイト以外で得られる、実際の社員さんの声や社風などの情報の重要性が高まっていて、そのために大学生が活用しているSNSはTwitterやInstagram。まさにこれは「社風を知りたい」というような欲求から来ると思ったんですが、Aさんは実際に就活でTwitterやInstagramなどは使っていましたか?

学生A:両方とも使っていました。

高村:どう使っていたんですか?

学生A:まずTwitterは、先ほど高村さんがおっしゃっていたように、自分が気になる会社の検索をかけて、Twitterでどういうことが発信されているかというのを見ていました。Instagramは、受けた企業でいいなと思ったら、その内部情報や社員さんの写真が載っていることが多いので、「あっ、こういことをしているんだ」、「こういうイベントに、こういう社員さんが出ているんだ」というのを見ていました。
ですから、内部をより深く知るのがInstagramで、どういうことをしているのか、日々の更新を見るのがTwitterというような感じで使い分けていました。

高村:それで、社風などはInstagramというイメージなんですか?

学生A:はい。

高村:なるほど。まさに現代っぽいですよね。
石谷さん、このSNSを活用するというところに対してはどうですか? 当時の就活とはまったく変わってきていますよね。今、「Instagramなどで社風を発信する」という話がありましたが、それは先ほど石谷さんがされていた、モリアゲの一環として合説で社風などを形にした空間づくりをするという話と似ている、つまりSNSとこの空間づくりは結構似ているところが個人的にはあると思ったんですが。

石谷:そうですね。やはり非常に似ていると思います。

高村:そうですよね。AさんとBさんが言っていたように、知りたい情報の中の強みだったり業務内容で何をしているのかということは、先ほど拝見させていただいた合説の装飾のところでも、一目で分かるようにするということは結構意識されているところですか?

石谷:そうですね。やはり難しい部分はあるんですが、スタッフさんの写真を載せていただいたりして装飾を作っていただくというのが、基本的には多いですね。でも、やはり退職やメンバーの入れ替わりもあるので、例えば退職しても使ってもいいというようなことを社員さんに書いてもらって、実際にその画像を使うというような所は増えてきていますね。

高村:確かにそうですよね。個人的には、社員さんが出たがらないケースも多いのではないかと思いました。

石谷:多いです。

高村:先ほどの事例でも、はっきりと顔写真が出ていたじゃないですか(笑)。そこの交渉はありそうですよね。

石谷:そうですね。やはりそれも会社の文化だと思うんですが、弊社もどちらかというと、もう採用の時点で、ホームページなどにも基本的にスタッフの写真を載せていたりするので、だいたいそういうのが大丈夫な方に面接に来ていただきます。ですから、企業側の努力と見せ方が必要ですよね。あとは本当にそういう文化をつくってしまうというようなこと。

高村:そうなんですね。ちなみに今日、本当におもしろい参加者の構成だと思っていて、まずは就活生として企業の情報を受け取る側のお二人と、モリアゲアドバイザーとして企業の情報を発信する側の石谷さんがいらっしゃるわけなので、私がうまく間に立てたらと思います。
石谷さんが、企業さんから合説の発注をいただいた時には、「どういう情報を発信しますか?」という簡単なヒアリングだったり、訴求ポイントを決めるところから始めるという形ですかね。

石谷:そうです。だから本当に、そこのヒアリングのところが一番やはり重要なんですよね。そこが結構難しいですし、実際企業様の中でも定まっていない会社様もあったりするので、そうなるとちょっとデザインがどうしてもぼやけてしまうんですよ。理念がちゃんとない、採用したいターゲットがないなど、そういうところになってしまうと、どうしても抽象的なデザインになったりして、ただ会社のロゴを出すだけというようなことになってしまうので、ちゃんとそこの採用軸のようなものを企業様は持っておかないと、伝えたいデザインにならないんですよ。

高村:難しいですね(笑)。就活軸を学生は考えるのに、採用軸を企業は考えるという話ですね。

石谷:そうです。そこが、結構意外と考えられていないというか、少し曖昧な会社様も多いので、まずはそこから質問をしていって、絞り込んでいくようなところからやります。

高村:なるほど。そこで強みを考えて、発信をしていくということですよね。

石谷:そうですね。

高村:Aさん、Bさん、そうらしいですよ。どうですか? 就活軸は考えると思うんですが、企業も採用軸を考えているということですね。ここがイコールになるというのはどうなんですかね。最近では結構、学生の認識と企業が伝えたい内容が、だいぶイコールに近づいてきたと思うんですが。
ですから、企業が本当にここを伝えたいという、例えば、福利厚生のいい会社があったとして、そこを魅力として伝えたいと思っても、福利厚生を別に気にしない就活生が見た場合は意味がないということですよね。ですから、先ほど石谷さんが言っていた、ターゲットを決めるということが大事だということですね。

石谷:そうです。

高村:福利厚生を大事にしている学生に向けては、福利厚生重視の装飾をしましょうという形になるんですかね。

石谷:はい。例えば弊社に福利厚生を気にする方が入ると、少しギャップが生じてしまうかもしれません。やはり小さい会社で福利厚生などは強みではないため、逆にそこを求めている学生さんには合いません。ですから弊社の場合は、そこの福利厚生の部分は出しません。逆に、福利厚生が強みの会社様で、且つ、そういう方に入ってきてほしいということであれば、やはり福利厚生をしっかり押し出した方がいいですよね。

高村:そうですね。では、やはりターゲットを決めて、その後に、そのターゲットが何を求めているのかを想定して、装飾に打ち出していくということですよね。そして、その装飾という手段が、おそらくウェブであればSNS(Twitter・Instagram・YouTube)、ナビであれば、マイナビ・リクナビ・ワンキャリア。オファー型であれば、先ほどお伝えしていただいたようなさまざまなアプリがあるという形になるんですね。これは個人的に聞いてみたいんですが、お二人は合説に行ったことはあるんですか?

学生A:あります。

学生B:あります。

高村:では、対面とオンライン型をどちらも経験しているわけですね。

学生A:はい。

学生B:はい。

高村:合説のいいところ、例えば何か持ち帰ることができた情報や、合説で印象に残っている企業の特徴などはあったりするんですか?

学生A:結構いろいろ印象に残っている企業様はあるんですが、私がオフラインの合説でとてもいいなと思うのは、偶然性が生まれやすいというところです。ふらっと寄った会社様が、それこそ本当に看板を作っている会社様だったんですが、私はまったく興味がないというか、全然知らない業界だったので、ふらっと寄って「あっ、おもしろい取り組みをしているな」と思って、実際に見てみるということが起こったりしました。そういうふうに、自分が知らない業界を知って自分の目を広げることができたというのは、とてもよかったと思っています。

高村:ふらっと立ち寄ったのは、なぜだったんですか? 声をかけられたんですか? それとも入りやすかったんですか?

学生A:入りやすかったというのもありました。実際に自分たちが作った制作物のような物を展示されていたので、それを見ていたら声をかけてもらって、実際に説明を聞くという流れでした。

高村:では、Aさんから見て、入りやすい企業と入りづらい企業の違いは、どういうところにあると思いますか?

学生A:先ほどの「自分たちの強みが…」というようなお話になるかと思うんですが、「こういう学生」や「こういうふうな企業です」というのが明確な方がやはり入りやすいですし、そういう企業様の方が、学生への声かけというのも非常にアットホームな感じで、やわらかい気がします。

高村:では例えば、物を作っている会社であれば物を展示したり、インフラ系の会社であれば「この橋を造りました」、「この建物を造りました」という展示物の写真を出したりするというのが、何をやっている会社かということが分かりやすいという話ですかね。

学生A:はい。

高村:なるほど。石谷さん、実際そうなんですか? もちろん、成功する合説ブースを作るために、いろいろアドバイスをされると思うんですが、「自社の制作物を展示しましょう」というのは、やはりアドバイスとしてあったりするんですか?

石谷:そういう写真を使ったりします。例えば建設会社様で、有名なビルを造ったということであれば、「このビルは、うちが造りました」というようなことを入れていただりします。学生さんも、例えば「東京タワーを造りました」と言われたら、「え!?そんな会社があるの?」というふうになるじゃないですか(笑)。
弊社であれば、「こののぼりを作っている会社です」と書いたりします。弊社は、展示物がすべて弊社の事業内容なので、そういう形で、ある程度、学生さんが目に触れて分かりやすい写真などを、「うちはこういう物を作っています」という形で載せていただいたりするケースはありますね。

高村:確かにそれはありそうですよね。学生側が思っている内容と、企業が思っている内容が、まさにそういった形で一致していけばいいと思います。今、お話を伺ったところでいくと、学生が入りやすいブース装飾の仕方というのは、石谷さんがアドバイスをされている、制作物の写真などを見せるというようなところと結構近そうですね。
Bさんはどうですか? 合説に行った時に、どういう企業を見て回ったということがあれば教えてください。

学生B:私の背景としては、去年の6月頃にインターンシップを探すための合説に行ったんです。その時は、自分があまり触れないような業種の会社様を回ることを意識していていたんですが、その時、私の目に一番留まったのは、文房具の商社で営業をしている会社様だったんです。なぜ目に留まったかというと、「営業=きついを払拭するインターン」と書かれた装飾を見たからです。みんなが思っているような印象や常識を覆すようなアピールなどがあると、その会社が非常に印象に残りやすいと思いました。

高村:確かにそうですよね。今Bさんが言っていましたが、常識を覆すところは、そういうのが響く学生に向けて、「営業はこんなイメージがありますが、こうしませんか?」というような、「営業=きついを払拭するインターン」という装飾を作ったという感じなんでしょうね。

学生B:そうですね。

高村:石谷さん、実際どうなんですか? 装飾は具体的にそこまで文章にしてしまうものなんですか? どちらかというと、「年商〇万」などといった、会社の概要を伝えるイメージなんですが。

石谷:そこまで絞り込んでメッセージを与えた方が、100人ではないかもしれませんが、本当にその会社様と合う10人が見つかる可能性が高いので、本来はそこまでターゲットを絞ってやった方がいいです。ただ、やはり母数を取りたいという企業様は多いので、その辺りで少しぼやけたりすると思います。ですから、その文房具の会社様は素晴らしいと思います。しっかり絞り込んでやっていらっしゃいますからね。

高村:ぼやけるというのは、どういうことなんですか? 「応募をたくさん取りたくて」ということですかね。

石谷:そうです。母数を大切にする会社様は、それでもいいと思うんですよ。「楽しく営業職ができますよ」というようなものでいいと思うんですが、先ほどの文房具の会社様の装飾は、営業に対するイメージを払拭するような文章でしたので、その辺りは本当に企業の決意も大切なんですよ。

高村:分かりました。ありがとうございます。お時間も迫ってきているので、ご視聴されている方からもご質問をいただければと思います。
ご質問を待つ間に、先ほどの装飾の事例について、学生お二人の感想を聞いてみたいと思います。Aさん、Bさん、先ほどの装飾はどうでしたか? 例えば、こちらの装飾は雰囲気もいいし、色なども統一されていますよね。

高村:ただ、ここまで人が入っていると、逆に入りたくても入れないですね(笑)。

石谷:それこそ整理券をもらわないと駄目だったり(笑)。

高村:この装飾をぱっと見た時に、お二人はどんな印象を持つんですか?

学生A:ぱっと見た時に強く感じたのは、結構アットホームな会社様なのかなと思いました。

学生B:今、私が就活生だとしても、「あっ!こんなに社員さんの表情がやわらかいんだ。こうやって写真で参加してくださるような、非常になじみやすい社員さんなのかな」というふうに思うと思います。

高村:そう見ると、やはり笑顔は大事ですね。

石谷:そうですね。

高村:なるほど。大学生はそう思うんですね。僕は「六十年」のところに目が行ってしまって、事業を六十年も続けたのかと思ってしまうんですが、その辺りは学生のお二人はあまり見ないですよね。やはり「創業〇年」や「年商〇億」というのは、たぶんあまりピンとこないのではないでしょうか。

学生B:来ないですね。

学生A:そうですね。すごさが分かりにくい感じがします。学生からすると、難しさが分からないというようなところが結構あると思います。年商〇〇億稼ぐことの難しさ、60年一つの事業を続けることの難しさはピンと来ないので、最初はたぶん写真に目が行くと思います。

高村:なるほど。だからこの装飾も、比重としては文字よりも写真の方が多いんですかね(笑)。

石谷:そうですね(笑)。今のは非常におもしろい回答ですよね。企業側は「創業〇年」というのが強みだと思って、打ち出したくなったりするじゃないですか。でも、創業年数や年商のすごさが、本当に学生さんからしたら、どれだけの労力があるのかということは、やはり分かりづらいですよね。

高村:確かに、そこは分からないですね。

石谷:たぶん「なんとなくすごそう…」というような感じになるんでしょうね(笑)。

高村:(笑)本当に、先ほどの右側の画像の装飾を見ても、やはり非常に顔写真が大きいイメージですね。

石谷:そうですね。

2)質疑応答

高村:N県で建設コンサルの会社をされている方から、チャットにご質問にいただきました。

お客様A:「N県で建設コンサルコンサルの会社をしております。何度か説明会を実施したことがありますが、学生が来てくれません。地方の知名度が低い会社のブースへ足を運んでいただくためには何をポイントに考えればよいでしょうか。全国にお取引先様がいらっしゃって、「合説 装飾」で検索をすると一番上に出てくるモリアゲさんは、本当に地方の企業さんから大手さんまでいろいろ担当されていると思うんですが、地方の中小企業の場合、何か工夫をされる点はありますでしょうか?」。

石谷:ありがとうございます(笑)。合説に出展されたということであれば、それこそ建設コンサルをされているということですので、学生さんが分かりやすい事例などを見せるのはどうでしょうか。建設コンサルなので、どちらかというと建物のコンサルという感じになるんですかね。

高村:橋梁などのインフラ系でしょうね。

石谷:そうですよね。やはり地元の方でも分かるような「この橋をプロデュースしました」というのがあると分かりやすいと思いますし、あとは、やはり建設コンサルタントと聞いても、おそらく学生さんはなじみがなくて分かりづらい部分もあると思うので、先ほどお話に出ていたように、何をやっている会社かという事業のことよりも、どういう人と働けるかというようなところを打ち出していかれるといいと思います。社風を前面に出したりして、そういう強みがありそうであれば、それだけでも結構学生さんが入りやすくなるかもしれないというのはあります。
これは実際に学生さんの意見も聞いてみたいですね。どういう工夫をすればよさそうかというところをお聞かせください。

学生A:やはり合説の時期と学生にもよるかもしれないんですが、就活を始める時期に「コンサル」と言われても、学生は本当に「?」で、その時期はカタカナ恐怖症になりがちなんです(笑)。ですから、学生でもなじみのあるワードを使ったりするのがいいと思います。
後半の合説になればなるほど、次は逆に、何をするかより、誰と働くかというのを非常に重視する学生が増える傾向があると思います。実際、私の友達を見ていても、よく話に上がっていました。ですから、そういうふうなところ(社風や社員さん)を打ち出してみるというのが、私自身は惹かれるブースになりそうでいいかなと思いました。

学生B:私自身も、就活生の時に「建設コンサルタント」と聞いたら、私が文系だということもあって「あっ、理系っぽい。ハードルが高いのかな」という印象を受けると思います。知ったら、絶対に幅広くて奥深い業務だと思うんですが、やはりそこのスキルを一緒に身に着けていくということや、インフラに貢献できるということをアピールするために、やはり社員さんのことや会社での文化のようなところを中心に打ち出していけると、学生にも非常に刺さりやすいのかなというふうに思いました。

高村:いいですね。石谷さん、これがリアルな意見ですね(笑)。

石谷:そうですね。リアルな反応ですね(笑)。

高村:本当に石谷さんがおっしゃっていたように、社風のようなところは、就活の時期や学生にもよりますが、非常に響きやすいポイントなのかもしれませんね。

石谷:そうですね。

高村:では、出ていただく社員さんを探すという形ですかね(笑)。

石谷:そうですね(笑)。やはり事業内容よりも、そういう風土的な部分や、誰と働くかというところを、特に分かりにくい業種の場合は出していただくと、まず聞いてみようという第一歩になると思います。

高村:実際、私も企業の採用活動を、大学生と一緒に支援させていただいているんですが、「え!?そんなのが魅力になるの?」と言われることが多いですね。やはり大人になると、定量的なことばかりを魅力だと思いがちですが、オフィスやトイレがきれいだということや、社員さんが明るい、こういう髪形をしている社員さんもいるといった定性的なところが、意外と魅力に映るということもありますしね。
「成功する合説とは?」というところで、学生の意見を聞いてみました。モリアゲアドバイザーである石谷さんの話と結構一致している部分もあったという印象です。やはり「創業〇年」、「事業〇年」という難しい話や、「コンサル」、「建設」というような「理系なのかな? コンサルってよく分からない」というように、分からないという部分を取り除くためには、結局人の好さのようなところを、実際の対面だからこそ打ち出していければいいのではないかという、なんとなくそんな印象も受けた時間でした。ありがとうございました!